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2005年05月20日

●構築主義と実在論の不可思議な結婚

北田暁大, 1998, 「構築主義と実在論の不可思議な結婚」『Sociology Today』9:87-97.

John R. SearleのThe Construction of Social Realityの書評論文.「真理の合意説」や「反実在論」を好む構築主義者は,言語行為論を自らの援軍として利用したがる.けれども,サールの議論は,対応説的な真理理論への傾倒と因果概念を重視するがゆえに,構築主義者が安易に依拠できるものとはなっていない.「社会的現実」,「外部実在論」,「バックグラウンド」といったキーワードに沿ってそのことが明確に解説された上で,サールの議論に対する二つの論点が示される.「構築主義が貫徹されうるのか」という疑問と,文化・社会的制度と生物学の関係の問題である.反実在論的な構築主義に対する強力な反論を突きつけているという意味で,社会学者が本書を検討する意義は大きいと結ばれる.

2005年05月19日

●The Archers

Vandenberghe, Frederic, 2005, "The Archers: A Tale of Folk(Final Episode?)", European Journal of Social Theory, 8(2): 227-237.

Margaret S. Archerの理論的著作4冊に対する書評論文です.アーチャーの理論的試みがどのようなものであるのかを丁寧に解説しています.アーチャーは初期にはW・バックレイとD・ロックウッドの影響下で,システム理論を独自に展開していました.2冊目以降は,R・バスカーの超越論的実在論に依拠し,その立場によって自らの理論を基礎づけています.評者はアーチャーの試みに対しておおむね肯定的な評価を与えています.したがって,ギデンズの構造化理論に対しては辛口となっています.Archerの試みは,日本ではそれほど注目されていないように思います.もちろん,日本でも著名になった他の理論家に比べれば,少しオリジナリティに乏しいのかもしれません.