●構築主義と実在論の不可思議な結婚
北田暁大, 1998, 「構築主義と実在論の不可思議な結婚」『Sociology Today』9:87-97.
John R. SearleのThe Construction of Social Realityの書評論文.「真理の合意説」や「反実在論」を好む構築主義者は,言語行為論を自らの援軍として利用したがる.けれども,サールの議論は,対応説的な真理理論への傾倒と因果概念を重視するがゆえに,構築主義者が安易に依拠できるものとはなっていない.「社会的現実」,「外部実在論」,「バックグラウンド」といったキーワードに沿ってそのことが明確に解説された上で,サールの議論に対する二つの論点が示される.「構築主義が貫徹されうるのか」という疑問と,文化・社会的制度と生物学の関係の問題である.反実在論的な構築主義に対する強力な反論を突きつけているという意味で,社会学者が本書を検討する意義は大きいと結ばれる.
題名にひかれて読んでみたが,サールの書評であった.サールはさておき,構築主義と実在論に関してはどう考えればよいのだろうか.構築主義の「ブーム」が一段落した今,あらためて考えてみる必要がある.